小物をおろそかにする人は、おしゃれの世界でいちばん先に落第点をつけられます。ですから、おしゃれは小物から、といっても過言ではないのです。いつも同じ黒のスーツ、あるいはシンプルなカシミヤのセーターを着ていても、小物を吟味して毎回取りかえるだけで、どんなにちがった表現ができることか……。こんなところでも基本的な色を選んで決めることが大切になってくるのです。まずヘア飾りですが、これはヘア・スタイルといろいろ関係します。たとえば、髪が短い人なら黒地に白い水玉のリボンを結ぶとか、長い人はシニョン(まげ)にした部分に黒いレースをまいてボウを飾るとか、着こなしに合わせた変化をつけます。この場合、ストッキングも同じ黒のレース柄をはいてみると、まったくちがった雰囲気です。肌色のナイロン・ストッキングの場合とどうちがうか、鏡の前で比べてみるとよくわかります。白いナイロン・ストキッングに白い花をプリントしたものや、お花畑のようなプリントのストッキングなど、少々高いのですが(約3000円)白いコットンの手袋に合わせてみてください。この場合、できればパステル調のエド(セーターとスカートまたはスーツ)に合わせることをおすすめします。
平たい体型の人は身体に幅があるため、ブラジャーの上辺の中心から脇までの距離が長くないと、ブラジャーが脇まで届かないのです。ブラジャーをアンダーバストに合わせて選んでいると、身体に対して、円周が小さすぎるサイズになってしまいます。すると、バストの円周とブラジャーの円周が合っていないため、着用中にワイヤーが押し広げられて歪みを起こし、その結果、ワイヤーが身体側に向かって倒れてきて、胸の中心あたりの骨に当たってしまうのです。もし、「ワイヤーが食い込んで痛い」という人がいたら、それは円周が合っていない何よりの証拠です。ですから、平たい体型の人は、とにかくブラジャーを脇まで届かせることが先決になるのです。
歴史上最初のシャツは、獣皮や毛皮製であったとされる。次いで麻製のシャツが登場する。古代エジプトや古代バビロニアで着用されたシャツは、麻製であった。じつはヒトは太古から麻を繊維として利用してきた。およそ1万年前には亜麻繊維を織り上げたリネンをまとっていたとする研究もある。そして古代ギリシアでは、麻糸は運命そのものを象徴するようになる。人間の一生、誕生から死までは、モイラたち「運命の3女神」が紡ぐ糸の長さに対応すると考えられたほどだ。リネンと人間の関係は長く、19世紀初頭を見ると全繊維消費量のおよそ30パーセントをリネンが占めている。12世紀後半のヨーロッパでは、鎧が発達し、その下に装着するリネン製の具足(武具の一種)の仕立も合わせて発達した。これが後にテイラーになっていく。最初の仕立屋組合は「チュニックーメイカーズーギルド」とされ、1351年にナポリで結成された記録が教会に残されている。彼らはテイラーでありシャツ仕立職人でもあった。チュニックはTシャツのような貫頭衣で、聖職者用のものはアルバ(つまり白衣)と呼ばれたようだ。亜麻糸を加工して白くした布が、おそらく高貴とされたのだろう。ただし興味深いことに、9世紀に描かれた『シャルル禿頭王の聖書』の挿絵を見ると、人物は青いチュニックを着ているし、12世紀は貝紫が大流行した。